ウォールナットはチョコレートのような深みのある色合いと高級な質感が人気の木材でクルミの一種です。Wikipediaを読むと、「アメリカ合衆国大統領の指揮台やアメリカ合衆国最高裁判所のベンチに使用されるほか、耐衝撃性の強さを生かしてライフルの銃床にも使用される。」とあり、洋の東西を問わず重厚な家具によく使われ、堅牢であることがわかります。ただし、お仏壇の場合は、ウォールナットの一枚板（無垢板）が使われていることは稀で、「薄板張り」「突板」という表現で、芯材に薄いウォールナットを貼っていることがほとんどだと思います。これは10万円以下だからというわけではなく、お仏壇は元々昔から、芯材に銘木を貼ってつくる方法が一般的であるため（練りといいます）、いわゆる唐木仏壇と呼ばれる紫檀や黒檀を使った高級なお仏壇でも同じなのです。ウォールナットは「世界の三大銘木」と言われているそうで、どこを調べてもそのように書いてあるのですが、世界的にそのように言われていることはない、というブログ（→ULR）を拝見し、なるほど、と思って読ませていただきました。管理人の方は「三大銘木」が独り歩きして、資源が枯渇していることを心配なさっていると同時に、「三大銘木だから」というネームバリューでの選び方でなく、材質の特長をよく見たうえで選んでほしい、と家具屋さんらしいコメントが印象的でした。ウォールナットといえば、かつてのNHKTVドラマ「大草原の小さな家」でインガルス一家が住んでいた町がウォールナットグローブでした。ウォールナットグローブは架空の町ではなく、アメリカミネソタ州にある実際の都市名で、ブラックウォールナットの木立にちなんでつけられた名前だそうです。その頃は丘にウォールナットが多く自生していたのでしょうか？当時の家具類は木を切って一枚板でつくるのが日常的だったと思いますが、木材が貴重な今から考えると、とても贅沢なお話ですね。