お仏壇の「紫檀調」とは?

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お仏壇の「紫檀調(したんちょう)」とは?


 

ネットでお仏壇を探していると「紫檀調」と書いてある商品があります。

 

紫檀(したん)というのは昔から伝統工芸品や家具、楽器、などに使われてきた木材で、
銘木とされているマメ科ツルサイカチ属に属する数種類の高級木材の総称です。
骨董屋さんや中国の迎賓施設などでよく見かける重厚で装飾的な王朝風の中国家具などを、
思い浮かべるとイメージがつかめるのではないかと思います。

 

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(出典:セカイモン

 

お仏壇でも高級な唐木仏壇(銘木をつかった昔からある伝統的なスタイルの木の仏壇)
によく使われています。

 

 

紫檀調というのは、これらの高級家具・調度品に使われる紫檀材を素材として使わず、
紫檀柄(木目)の塩ビや紙のプリントを貼って紫檀製のように仕上げたお仏壇ということです。
「紫檀に見せかけたお仏壇」「紫檀に似せたお仏壇」と言い換えることもできますが、
決して悪意で人を欺いているわけではなく、伝統的な風合いのお仏壇を安価で提供する目的、
と、とらえたほうがよいと思います。

 

本物の紫檀材を使っているわけではなく、イミテーションの紫檀なので、
混同されないように、表記を区別して「紫檀調」と呼んでいるわけです。
(一部商品では突板等(後述)で紫檀が実際に使われている場合も「紫檀調」と書いてありますが、稀です。)
仏壇ショップのほうでも、聞けば「これはプリントです」とちゃんと教えてくれますし、
こちらから特に尋ねなくても、店員さんのほうから、そういってくるときもあります。
(良心的なお店なら)(または、あとでクレームになるのを防ぐため)

 

今、市販されている多くの紫檀調お仏壇は、
MDFと言われる中質繊維版に紫檀の木目を印刷したプリントシート(紙・塩ビ)が貼られたものです。

 

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(出典:衣装ケース激安通販様)

 

〇〇調と言われるプリントのお仏壇は、手触りがつるつるして少し光沢があり表面が緻密な感じです。
表面材に本物の天然木を使ったお仏壇よりも、むしろ外観が丁寧に整っているため見栄えのよいことが多く、
その割には、お値段が大変お手ごろなので、
無理のない予算の範囲でご親族や親戚等に見せても恥ずかしくない昔ながらのお仏壇をお探しの方には、
高いニーズと人気があると思います。
(実店舗で見る場合は、木管の凹凸がなく、すべすべしているので目で見てもだいたいわかります)

 

紫檀調と言われるお仏壇の中には、別の木材に直接、紫檀の木目模様を印刷したり、
紫檀の色を着色したものもあります。
その場合も紫檀調と書かれることがありますが、着色の場合は「紫檀色」と記載されているときもあります。
表面が天然木なので、木の手触りがしますが、こちらも紫檀材を使っているわけではありません。
また、紫檀調・紫檀色のお仏壇は、高級感を演出した写真になっており色調が暗めですが、
実際の商品は、写真よりも赤みが強く、色も写真より明るい場合が多いようです。

 

実は、紫檀とひとくちに言っても、明確な定義はありません。
特定の1種類の木を指すわけではなく、様々な国の様々な木が「紫檀」という総称で呼ばれています。
いわゆる(古来からの)紫檀は、タイヤラオスやカンボジアなどで採れる特定の数種類を差しますが、
現在では希少な木材で、一部の種類は絶滅危惧種に指定されるなど、入手困難で大変高額です。
そのため、解釈を広げてそれ以外の木材も紫檀と呼ばれることがあります。

 

代替え材として市販品に広く流布しているのが、パーロッサという木材で、
現在手の届く価格で市販されている仏壇の「紫檀材」の正体は、ほぼこれだと思って差し支えありません。
そして、ここから先が、表示上、微妙なところで、同じパーロッサをつかっているお仏壇であっても、
紫檀と記載されているときもあるし、従来の紫檀とは違いますよ、という意味で「紫檀系」と書かれていたりします。
また、現代的な家具調仏壇では、紫檀にこだわる傾向があまりないので、
そのまま「パーロッサ」と明記してある商品もあります。
お仏壇って、全種類/全ショップの商品を包括的に網羅するような統一表記のルールがないんですよね。
唐木仏壇に関しては、業界の規約がありますが、それとて対象は加盟店(主に地域の老舗)に限られるものです。

 

こういった現状から、お仏壇の品質表示には、「紫檀調(「紫檀風」)」「紫檀色」「紫檀系」などが入り乱れていて、
パッと見ただけでは、なかなかわかりにくいですよね。
例外もありますが、通常は、
——————————————————–
●紫檀調・・・紫檀木目プリント
●紫檀色・・・紫檀カラーの着色
●紫檀系・・・従来の紫檀以外の紫檀に似た天然木材を使用
——————————————————–
と、考えるのが一般的です。

 

そして古来からある、銘木の「(いわゆる)紫檀」に対しては「本紫檀」という言葉が使われるようになりましたが、
それもまた、後述する「練り工法」を使った高級品(といっても実際は二種類の木材の組み合わせ)から、
前面扉だけ本紫檀の薄板貼りにして側面は化粧版のものなど、ピンからキリまで、というのが現実だと思います。
ですが、よくある「紫檀調(プリント)」「紫檀系(代替え材)などとは違って、
本物であることをお店もPRしたいので、どんなグレードの商品でも「本紫檀」はアピールポイントになっています。

 

仏壇・仏具のネットショップのレビューを拝見していると、
「仏具店で見て仏壇のあまりの高さに驚き、ネットを見たら同程度の商品が半額以下で即決した」
というコメントをよく目にしますが、見かけは似ていても、
表面材に何をつかっているか?で価格が大きく異なって来ますし、
側面や背板の材質も大きく異なります。
仕上げは国内か?海外か?でもお値段が変わりますし、
天然木の割合が多いお仏壇を日本の職人さんが手作りで仕上げるような場合は、
相当に高額な商品になるはずです。

 

仏壇は全体が天然の木でできている、と誰もが思っているかもしれませんが、
今は30~40万クラスの商品でも、主心材がMDF(中質繊維版)ということが多いです。
それに天然木の薄板(厚さは0.3mm以内)を貼ったものが、突板(つきいた)と表示されています。
突板は、天然木の薄板といっても手に持って板状になるようなものではなく、
イメージとしては、カンナで削った薄皮のようなシート状のもの言ったほうが正確かもしれません。
突板に関しては、文字検索するよりも、動画で探して見たほうがわかりやすいですよ。

 

MDF+突板のお仏壇は、板部分の密度が高くそれなりに重さもあるので、
一見、一枚板(無垢板)に見えますが、そうではありません。
もしどこかに無垢板と書いてあっても、扉の部分だけであることが多く、
または逆に中国製の桐などをつかった廉価版の商品なら、総無垢板もありますが、
その場合は、あまりよい木材は使っていないと見るのが妥当でしょう。

 

さて、ここからは多少余談になりますが、実は、仏壇は昔から、
別の木の心材に銘木の表面材を組み合わせる手法が一般的で、
これを練り工法といいます。
心材の四方を銘木で覆った「四方練」から、前面だけを銘木で覆った「前練」などグレードがありますが、
流通品には前述のように、MDF(中質繊維版)に紙よりも薄い天然木突板を貼って、
「天然木使用」と書いてある商品が非常に多いので、たとえ異なる木を組合せている「練り工法」でも、
「練り」と言っている限りは、上位ランクのお仏壇、ということになります。

 

「練り」は昔からの工法なので、旧家にあるような古くて立派で今はとても手が届かないようなお仏壇でも、
無垢板が使われていることはほとんどなく、
実際は「練り」と言われる異なる木材を組み合わせる技法が使われています。

 

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(出典:母里佛具店

 

冒頭の13,047,300円(!)という超高額のお仏壇も、説明をよく見ると「総練」と書いてありますよね。
こういった超高額のお仏壇でも無垢板ではなく、組み合わせた板を使っていることがわかると思います。

 

我が家のお仏壇は亡き曾祖母(父が独身のときに逝去。私は写真でしか知りません。)が昭和8年に購入したもので、
その代で生まれてすぐに亡くなった赤ちゃんなども含め、多くの血縁者が祀られています。
ですがそれも、我が家が一軒家だから可能なんですよね。
現在ではマンション住まいの方も多いですし、長男であっても故郷を遠く離れた転勤先で家を買うなど、
一基のお仏壇が子や孫の代に受け継がれていくことも少なくなってきたと言えるでしょう。
であれば、一生ものという考えを切り替えて、無理のない予算とサイズのお仏壇をお祀りして、
常に先祖と共にあることを意識しながら、感謝の気持ちで毎日を過ごすのも悪くないと思います。

 

※この記事のアイキャッチ(サムネイル画像)には以下のお仏壇の写真を使用いたしました。

 

 

 

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